歯並びと咬み合わせ

不正咬合とは

歯並びや咬み合わせが悪い状態のことを、「不正咬合」といいます。
不正咬合にもさまざまな種類があり、原因も多岐に渡るので、正しい診断に基づいて適切な治療を行うことが大切です。

子どもに多い不正咬合の種類と原因

上顎前突

上の前歯が下の前歯より飛び出している、いわゆる「出っ歯」といわれる状態です。
原因は遺伝や、上下の顎の発育バランスが悪い、下唇を咬むクセがあると起こりやすくなります。

下顎前突

下の前歯が上の前歯よりも前に出ている、いわゆる「受け口」といわれる状態です。
遺伝や、顎の発育バランスの悪さが原因といわれています。

開咬

奥歯で咬み合わせたときに、前歯の上下が開いたままになる状態をいいます。
原因は遺伝による骨格の問題や、長期間の指しゃぶりやおしゃぶりの使用、舌のクセ、口呼吸などが考えられます。

叢生(そうせい)

歯が重なり合ったり、ねじれたり、八重歯があるなど、歯並びがガタガタしている状態をいいます。
歯の大きさに対して、顎の骨が狭いために起こるケースがほとんどです。

不正咬合の悪影響

不正咬合は、見た目が悪いことからコンプレックスやいじめにつながりやすく、お子さまにとっては心理的なストレスにつながることが心配です。
また医学的にみても、歯並びが悪いことでハミガキが上手にできず、汚れがたまってむし歯や歯周病になるリスクが大きくなります。
さらに、咀嚼機能が悪いのでよく咬むことができず、消化器に負担がかかったり、発声に問題が起きたりすることもあります。

一般的な矯正治療の始めどき

子ども達の矯正治療の時期を判断する考え方は、大きく以下の3つの視点が必要です。
1.正常な発育の軌道に早く回復させる。
2.成長終了時に全ての永久歯でその子に応じたきちんとした咬み合わせの目標を設定し、計画的に効率よく対応する。
3.見た目が極端に悪く、コンプレックスになる場合やいじめの対象になるうるものは早期に解決する。

受け口や出っ歯、顎(アゴ)の骨の左右のズレなど、歯が並ぶ土台の顎(アゴ)に問題がある場合が⒈に該当し早期治療の対象となります。これらのうち咬みグセや指しゃぶりなどが原因のものはアドバイスのみで解決するものもあります。また⒊の歯並びの悪さがコンプレックスやいじめの原因になっている場合も、子どもの心理面の配慮から早めに矯正治療を始めた方がよいといえるでしょう。ただし、早く治療を開始して一旦問題が解決したとしてもその後の成長変化で、同様の問題が再発したり、新たな問題が出てきたりと、治療が頻回におよぶこともあり、お子様に過度の負担をかけること、親御さんには費用の負担が度重なるなど問題が出ることもあります。
ですから、何でもかんでも早ければ良い、というものではありません。⒉の考え方が全てのケースに必要となります。理想は、治療を必要とせず綺麗な歯ならび、咬み合わせへ成長してくれることですが、矯正治療が必要となった際は、子どもへの負担、費用や時間の負担が極力少なく済むように考えての対応となります。総じて言えるのは、異常が叢生(デコボコの歯ならび)だけの場合は、永久歯が生え揃う小学校高学年~中学生以降から治療をスタートする方が、無駄な負担を増やすことなく、また結果的によい状態で安定することが多いようです。
詳しくは、診察させていただき、個別にご説明をさせていただいています。

当院の矯正治療の考え方

一般的に小児矯正は、一刻も早く行うのがよい感じられる方も多いと思いますが、お子さまによってはそれが当てはまらないケースも多々あります。
たとえば、異常のように見えた歯並びも、成長する過程での一過性の状態に過ぎなかったり(デコボコの歯並び=叢生は成長に伴い軽減、改善していきます)、指しゃぶりなどの癖が起因する歯並びの異常は矯正治療ではなくアドバイスのみで解決しうるものもあります。成長期の子ども達で大切なことは、観察を続けながら本当に治療が必要かを見極めてあげることです。
また、実際に矯正治療が始まると、口の中に矯正装置を装着する負担に加え、月に1〜3回程度は歯科医院へ通院する時間が必要になります。習い事や部活動など、最近の忙しい子ども達へはさらなるストレスが生じることも考慮しないといけません。
そのため当院では、お子さまお一人おひとりに、「成長に合わせた適切な時期」と「子どもの生活面の配慮」の両面からから、子ども本人、親御さんと相談して対応させていただいています。

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